【医師監修】一時的に記憶が飛ぶのは強いストレスが原因?病気との違いや受診目安を解説

一時的に記憶が飛ぶと、「強いストレスのせいなのかな」「何か病気が隠れているのでは」と不安になりますよね。

強いストレスが記憶に影響し、一部の出来事を思い出せなくなることはあります。ただし、一時的に記憶が飛ぶ原因をストレスだけに決めつけることはできません。

解離性健忘のようにストレスや心的外傷との関係が知られているものがある一方、一過性全健忘やてんかんなどでも一時的な記憶障害が起こることがあります。

そのため、数秒前のことを思い出せない、自分がした行動を覚えていない、一定時間の記憶が抜けているといった場合は、記憶の抜け方や前後の状況まで確認することが大切です。

この記事では、一時的に記憶が飛ぶ症状とストレスの関係、考えられる病気、確認しておきたいポイント、病院へ相談する目安をわかりやすく解説します。

目次

一時的に記憶が飛ぶのはストレスが原因?

強いストレスが一時的な記憶の抜けに関係することはあります。

一方で、記憶が飛んだという症状だけを根拠に、ストレスが原因だと判断することはできません。

まずはストレスと記憶の関係を整理し、どのような場合にほかの原因も考える必要があるのかを確認していきましょう。

強いストレスで一時的に記憶が飛ぶことはある

強いストレスや心的外傷をきっかけに、一時的に出来事の記憶が抜けることはあります。

代表的な状態として知られているのが解離性健忘で、MSDマニュアルでは心的外傷やストレスによって引き起こされる健忘と説明されています。

ストレスと記憶の関係を考える際は、次のような状況がなかったかを振り返ることが大切です。

  • 強い精神的ショックを受ける出来事があった
  • 仕事や家庭の負担が大きく重なっていた
  • 強い不安や緊張が長く続いていた
  • 記憶が抜けた時期と強いストレスが重なっていた

済生会でも、解離性健忘では心的ストレスをきっかけに出来事の記憶を失う場合があると説明されています。

一時的に記憶が飛ぶ症状とストレスが同じ時期に重なっている場合、両者の関連を考える材料にはなります。

ただ、ストレスを感じていたという事実だけで、記憶が飛んだ原因まで確定することはできません。

記憶障害には別の原因もあるため、ストレスとの関連は原因を考えるための一つの手がかりとして捉える必要があります。

ストレスで記憶が飛ぶときのパターン

強いストレスによって記憶が飛ぶ場合、記憶そのものが消えるというより、出来事を記憶として残したり思い出したりする過程に影響が生じている可能性があります。

記憶には、情報へ注意を向け、覚えた内容を保持し、必要なときに思い出すという複数の過程が関わっています。

ストレスが強い場面では、不安や緊張へ意識が向き続け、目の前の出来事へ十分に注意を向けにくくなる場合があります。

記憶の状態を考える際は、次の違いを分けて考えることが重要です。

  • 出来事そのものをほとんど覚えていない
  • 覚えていたはずの出来事を思い出せない
  • 集中できず、直前の出来事が頭に残っていない
  • 特定の期間だけ記憶が抜けている

解離性健忘では、特定の出来事や期間について思い出せなくなる記憶の空白がみられ、心的外傷やストレスが関係する場合があります。

一時的に記憶が飛ぶ症状があっても、すべてが同じ仕組みで起きているわけではありません。

数秒前のことを忘れる場合と、ある時間帯の出来事を丸ごと思い出せない場合では、確認すべき内容も変わります。

記憶が飛んでもストレスが原因とは限らない

一時的に記憶が飛ぶ症状があっても、ストレスだけが原因とは限りません。

強いストレスが続いている時期に記憶の異変が起きると、ストレスの影響だと考えたくなるかもしれません。

ただ、記憶障害は精神的な負担だけでなく、脳や神経の病気、飲酒、薬の影響などでも起こることがあります。

ストレス以外に考えられる原因には、たとえば次のようなものがあります。

  • 一過性全健忘など一時的な記憶障害
  • てんかんなど脳や神経に関係する病気
  • 飲酒による記憶の障害
  • 薬の影響
  • 頭部への外傷など身体的な原因

解離性健忘についても、症状だけで診断するのではなく、ほかの原因がないかを確認したうえで判断されます。

強いストレスがあったという事実は原因を考える手がかりになりますが、ストレスが原因だと確定する根拠にはなりません。

一時的に記憶が飛ぶ症状がある場合は、ストレスとの関連だけに目を向けず、複数の可能性があることを前提に考えることが大切です。

一時的な記憶の抜けで注意したい症状

一時的に記憶が飛ぶときは、記憶の抜けだけでなく、同じタイミングで起きた変化にも目を向けることが大切です。

意識の混乱やけいれん、手足の動かしにくさなどが重なっている場合は、単なる物忘れやストレスによる変化とは分けて考える必要があります。

記憶が飛んだ前後について、次のような変化がなかったか確認してください。

  • 会話がかみ合わず、普段より混乱していた
  • けいれんや意識が遠のくような状態があった
  • 片側の手足が動かしにくかった
  • 強い頭痛や吐き気など普段と違う症状が出た
  • 同じ質問や行動を何度も繰り返していた

記憶が抜けた本人には、その時間帯の様子が分からないこともあります。

家族や同僚など周囲の人が見ていた行動や会話も、状態を整理する手がかりになります。

一時的に記憶が飛ぶ症状があったら、ストレスの強さだけでなく、意識・会話・身体の動きに普段と違う変化がなかったか確認してください。

いつ起きたか、どの症状が同時に出ていたかを記録しておくと、記憶の抜け方とほかの変化を分けて把握しやすくなります。

知恵袋の体験談だけで原因を判断しない

知恵袋などで一時的に記憶が飛ぶ体験談を読むと、自分と似た状況を見つけて安心したり、反対に病気ではないかと不安が強くなったりすることがあります。

体験談は症状を整理する参考にはなっても、記憶が飛んだ原因を判断する根拠にはなりません。

同じ「記憶が飛ぶ」という表現でも、実際の状態には大きな違いがあります。

体験談を見るときは、次の点を分けて考えてください。

  • 記憶が抜けた時間や範囲が自分と同じとは限らない
  • ストレスの強さやきっかけは人によって異なる
  • 飲酒や服薬、持病など背景条件が分からないことがある
  • 投稿者が医療機関で診断を受けたとは限らない

解離性健忘も、症状だけで決めるのではなく、医師による評価や必要に応じた検査でほかの原因を除外して診断されます。

知恵袋の回答を診断代わりにせず、自分の症状は自分の経過として整理することが大切です。

いつ起きたか、どのくらい記憶が抜けたか、前後にどんな変化があったかを確認するほうが、原因を考える材料として役立ちます。

数秒前の記憶が飛ぶ・自分の行動を覚えていないのはなぜ?メカニズムを解説

数秒前のことを思い出せない場合と、自分がした行動そのものを覚えていない場合では、記憶の抜け方が異なります。

一時的に記憶が飛ぶ症状とストレスの関係を考えるときは、何をどの範囲まで覚えていないのかを整理することが大切です。

数秒前の記憶が飛ぶのは注意力の低下が関係することもある

数秒前のことを思い出せない場合、必ずしも記憶そのものが失われているとは限らず、注意が十分に向いていなかった可能性も考えられます。

強いストレスや疲労で集中しにくい状態では、目の前の情報をうまく取り込めず、直前の出来事が記憶として残りにくくなることがあります。

たとえば、会話中に別の心配事を考えていたり、作業をいくつも同時に進めていたりすると、数秒前に聞いた内容を思い出せないことがあります。

確認するときは、次のような点を振り返ってください。

  • 忘れた直前に別のことへ意識が向いていなかったか
  • 睡眠不足や強い疲労が続いていなかったか
  • 同じような抜けが一日に何度も起きていないか
  • 会話や作業そのものを覚えている部分はあるか

数秒前の記憶が飛ぶと感じたときは、記憶力だけでなく、その場で注意を向けられていたかを分けて考えることが大切です。

注意の問題による見かけ上の記憶障害が起こることもあるため、頻度や生活への影響まで含めて状況を整理してください。

自分の行動を覚えていない場合は「記憶の抜け方」を確認する

自分がした行動を覚えていない場合は、単に忘れたのか、一定時間の出来事そのものが記憶から抜けているのかを分けて考える必要があります。

鍵を置いた場所を思い出せない状態と、移動や会話をしたこと自体を覚えていない状態では、記憶の抜け方が異なります。

自分の行動を覚えていないと感じたときは、次のような違いに注目してください。

  • 行動した事実は覚えているが細部を思い出せない
  • 行動したこと自体をまったく覚えていない
  • 一部の場面だけ記憶が抜けている
  • 一定時間の出来事がまとまって思い出せない

たとえば、買い物へ行ったことは覚えているものの何を買ったか思い出せない場合と、買い物へ行ったこと自体を覚えていない場合では状態が異なります。

自分の行動を覚えていないときは、忘れた内容の多さよりも、出来事そのものの記憶が残っているかを確認することが重要です。

強いストレスがある時期でも、記憶の抜け方には個人差があります。

どの部分まで覚えていて、どの部分が抜けているのかを見分けることで、単なる物忘れとの違いも捉えやすくなります。

単なる物忘れと記憶障害は同じではない

単なる物忘れと記憶障害は、忘れたという一点だけでは区別できません。

日常的な物忘れでは、きっかけがあれば思い出せる場合がありますが、出来事そのものが抜け落ちている場合は同じ扱いにしないことが大切です。

日本神経学会も、もの忘れを含む認知機能の変化では、日常生活への支障の有無が状態を考える一つの重要な視点になると説明しています。

違いを整理するときは、次の点を見てください。

  • 忘れたこと自体を自覚しているか
  • ヒントがあれば内容を思い出せるか
  • 同じ質問や確認を何度も繰り返していないか
  • 仕事や家事など日常生活に影響が出ていないか

一時的に記憶が飛ぶと感じる状態が繰り返される場合は、年齢や忙しさによる物忘れだけと決めつけないことが重要です。

忘れ方の程度だけでなく、頻度や本人の自覚、生活への影響を合わせて見ると、状態をより具体的に整理できます。

家族など周囲の人から見た変化も、本人だけでは気づきにくい記憶の問題を把握する材料になります。

ストレスによる記憶の抜けと病気の違い|解離性健忘などを解説

一時的に記憶が飛ぶ症状は、強いストレスが関係する場合もあれば、脳や神経の病気によって起こる場合もあります。

症状だけで原因を決めず、記憶の抜け方や発症時の様子から違いを整理することが大切です。

解離性健忘は強いストレスやトラウマが関係する

解離性健忘は、強いストレスや心的外傷と関連し、自分にとって重要な出来事や一定期間の記憶を思い出せなくなる状態です。

MSDマニュアルでは、正常な物忘れでは説明できない記憶障害が特徴とされ、特定の出来事や期間だけ記憶が抜ける場合もあります。

記憶の現れ方には、次のような特徴があります。

  • 特定の出来事だけ思い出せない
  • ある期間の記憶がまとまって抜けている
  • 強いストレスや心的外傷と記憶の空白が関連している
  • 日常的な物忘れでは説明しにくい範囲の記憶が失われている

済生会も、解離では意識や記憶などをまとめる働きが一時的に失われ、特定の場面や時間の記憶が抜けることがあると説明しています。

解離性健忘では、数秒前のことをうっかり忘れる状態より、特定の出来事や期間にまとまった記憶の空白が生じる点が重要です。

一時的に記憶が飛ぶ症状とストレスが重なっていても、記憶の抜け方まで確認して考える必要があります。

一過性全健忘でも一時的に記憶が飛ぶことがある

一過性全健忘では、突然新しい出来事を覚えにくくなり、発症前後の記憶にも一時的な障害が生じます。

MSDマニュアルによると、一過性全健忘は突然発症する前向性健忘と逆行性健忘が特徴で、通常は24時間以内に改善します。

発症時には、次のような状態がみられることがあります。

  • 今いる場所や状況について同じ質問を繰り返す
  • 新しく聞いた内容を保持できない
  • 発症直前の出来事を思い出せない
  • 自分が誰なのかという基本的な情報は保たれている

感情的・精神的ストレスが発症前のきっかけになる場合もありますが、一過性全健忘そのものの原因は明確には分かっていません。

ストレスの後に起きたからといって、解離性健忘と一過性全健忘を同じものとして扱うことはできません

一過性全健忘では、新しい記憶を保持できない状態が急に現れる点が、解離性健忘との違いを考える手がかりになります。

てんかんなどほかの病気が隠れている場合もある

一時的に記憶が飛ぶ症状は、解離性健忘や一過性全健忘だけで起こるものではありません。

てんかんをはじめ、脳や神経に関係する病気でも意識や記憶が一時的に途切れることがあります。

特に側頭葉てんかんでは、記憶に関係する脳領域が発作の影響を受け、記憶障害を伴う場合があります。

記憶の抜けとともに、次のような変化がなかったかも確認が必要です。

  • 一時的に反応が乏しくなった
  • 周囲から普段と違う行動を指摘された
  • 短時間の記憶の空白を繰り返している
  • 記憶以外の神経症状を伴っている

健忘には、脳卒中や薬物、アルコール、脳の損傷など複数の原因があることも知られています。

一時的に記憶が飛ぶ症状をストレスや解離性健忘だけに結びつけると、別の原因を見落とす可能性があります。

同じ記憶の空白でも原因によって現れ方が異なるため、発症時の状況や伴う症状を分けて整理することが重要です。

ストレスによる記憶障害かどうかを判断するチェックポイント

ストレスによる記憶障害が気になるときは、病名を自分で当てはめるのではなく、記憶が抜けたときの状況を具体的に整理することが重要です。

一時的に記憶が飛ぶ症状について、発生した時間や頻度、睡眠、飲酒、服薬などを記録すると、自分では気づかなかった共通点を見つけやすくなります。

記憶が飛んだ時間や状況を振り返る

一時的に記憶が飛ぶ症状があったら、最初に確認したいのは、いつ起きて、どのくらいの範囲の記憶が抜けているかです。

記憶が飛んだ時間・長さ・前後の行動をできるだけ具体的に残すと、記憶の抜け方を整理しやすくなります。

解離性健忘では記憶の空白が数分の場合もあれば、さらに長い期間に及ぶ場合もあるため、時間の長さだけで原因を判断することはできません。

振り返るときは、次の項目をメモしておきましょう。

  • 記憶が飛んだ日時とおおよその長さ
  • 最後に覚えている出来事
  • 次に記憶が戻ったと感じた場面
  • 記憶がない間に何をしていたか
  • 周囲から普段と違う様子を指摘されたか

本人には記憶がない時間でも、家族や同僚が行動を見ている場合があります。

自分の記憶だけを頼りにせず、前後の出来事や周囲から聞いた内容まで時系列で整理することがポイントです。

ストレスが強かった日時も合わせて記録すれば、記憶の変化と重なっていたかを振り返りやすくなります。

睡眠不足・飲酒・服薬などストレス以外の要因も確認する

記憶が飛んだときは、ストレスだけでなく、睡眠や飲酒、服薬など当日の状態も確認してください。

一時的な記憶障害にはストレス以外の要因も関係するため、記憶が抜ける前に何があったかを幅広く振り返る必要があります。

MSDマニュアルでは、一過性全健忘と似た一時的な記憶障害が過度の飲酒や特定の薬によって起こる場合があると説明されています。

確認しておきたい項目は次のとおりです。

  • 前日から十分な睡眠を取れていたか
  • 記憶が飛ぶ前に飲酒していたか
  • 普段と違う薬を服用していなかったか
  • 薬の量や飲む時間を間違えていなかったか
  • 強い疲労や体調不良が重なっていなかったか

飲酒量や薬の名前は、後から思い出そうとしても曖昧になりやすいため、分かる範囲で具体的に残しておくと整理しやすくなります。

ストレスが強かったという理由だけで原因を一つに絞らず、同じ時期に重なった要因を確認することが大切です。

特に普段と違う生活状況があった場合は、記憶の変化と合わせて記録しておきましょう。

繰り返す・生活に支障がある場合はセルフチェックだけで判断しない

セルフチェックは、記憶の変化を整理するために使うものです。

当てはまる項目の数だけで病気かどうかを決めるのではなく、いつから、どのくらいの頻度で、生活にどんな変化が出ているかを具体的に記録してください。

記録するときは、次のような内容を残しておくと整理しやすくなります。

  • 記憶が飛んだ日時と回数
  • 忘れていた出来事の内容
  • 仕事や家事で起きた具体的な変化
  • 家族や同僚から指摘された内容
  • 記憶の変化が続いている期間

たとえば、仕事で同じ確認を繰り返した、予定を忘れることが増えた、家事の手順が分からなくなったなど、実際に起きた出来事まで書いておくと状況が分かりやすくなります。

単に「最近忘れっぽい」と記録するより、いつ何が起きたかを残したほうが変化の程度を比較しやすくなります。

ストレスによる記憶障害をチェックするときは、自己診断ではなく、症状の頻度や生活への影響を時系列で把握するために活用することが大切です。

同じ形式で記録を続けると、一時的な変化なのか、一定期間続いている変化なのかも確認しやすくなります。

一時的に記憶が飛ぶときは病院へ行くべき?受診の目安と診療科

一時的に記憶が飛ぶ症状が突然起きた場合や、同じ症状を繰り返している場合は、医療機関への相談を検討してください。

受診先は症状の出方によって異なり、記憶障害そのものが気になる場合は脳神経内科、強いストレスや解離症状が続く場合は精神科などが選択肢になります。

突然記憶が飛んだ・繰り返す場合は早めに相談する

一時的に記憶が飛ぶ症状が突然現れた場合や、短期間に何度も繰り返している場合は、自己判断で様子を見続けないことが大切です。

特に、今までなかった記憶障害が急に起きた場合は、ストレスだけが原因だと決めつけず早めに医療機関へ相談してください。

記憶障害の背景には、解離性健忘や一過性全健忘だけでなく、てんかんや脳血管障害などが関係する場合もあります。

受診を考えたい目安は次のとおりです。

  • 初めて強い記憶の抜けが起きた
  • 短期間に何度も同じ症状を繰り返している
  • 記憶がない時間が長い
  • 会話や行動に普段と違う変化がある
  • 仕事や家事など日常生活に支障が出ている

さらに、手足の動かしにくさ、ろれつが回らない、激しい頭痛、けいれん、意識がもうろうとするといった症状を伴う場合は、緊急性の高い病気も考える必要があります。

一時的に記憶が飛ぶ症状では、発症の急さと繰り返しの有無が受診を考える重要な目安です。

受診するときは、記憶が抜けた時間や前後の症状をメモしておくと、医師に状況を伝えやすくなります。

記憶障害は脳神経内科への相談を検討する

記憶が飛ぶ原因が分からず、まず何科へ行けばよいか迷う場合は、脳神経内科への相談を検討してください。

脳神経内科では、記憶障害や意識の変化などを含め、脳や神経に関係する症状を幅広く評価します。

日本神経学会も、もの忘れや意識障害を脳神経内科が扱う代表的な症状として挙げています。

脳神経内科への相談が向いているのは、次のような場合です。

  • 記憶の抜けが突然起きた
  • 同じ症状を繰り返している
  • ストレスとの関係がはっきりしない
  • 意識がぼんやりする時間がある
  • 記憶以外にも神経症状がみられる

必要に応じて、問診に加えて画像検査や脳波検査などが行われることがあります。

一時的に記憶が飛ぶ症状は原因が一つではないため、最初から自分で病名を決めて受診先を限定する必要はありません。

記憶障害そのものが主な悩みで原因が分からない場合は、脳神経内科を相談先の一つとして考えると整理しやすくなります。

かかりつけ医がいる場合は、最初に相談して適切な診療科を案内してもらう方法もあります。

強いストレスや解離症状が続く場合は精神科なども選択肢

強いストレスや心的外傷の後から記憶の抜けが起き、気分や感覚にも変化が続いている場合は、精神科や心療内科への相談も選択肢になります。

特定の出来事や期間を思い出せない状態に加えて、現実感が薄い、自分が自分ではないように感じるなどの症状がある場合は、解離症状を含めた評価が必要です。

解離性障害では、記憶だけでなく意識や自己認識の感覚に変化が現れることがあります。

相談を考えたい状態は次のとおりです。

  • 強いストレスや心的外傷の後から記憶の空白がある
  • 特定の出来事や期間だけ思い出せない
  • 現実感が薄く感じることがある
  • 自分を外から見ているような感覚がある
  • 不安や抑うつなど精神的なつらさも続いている

一方で、一時的に記憶が飛ぶ原因が精神的なものか身体的なものかを、自分だけで見分けるのは困難です。

ストレスとの関連が強く感じられても、記憶障害が続く場合は症状全体を医療機関で評価してもらうことが大切です。

精神科や心療内科を受診する場合も、記憶が抜けた時間や起きる前後の状況、生活への影響を具体的に伝えると診察に役立ちます。

まとめ|一時的に記憶が飛ぶときはストレスと決めつけず原因を確認しよう

一時的に記憶が飛ぶ症状は、強いストレスや心的負担が関係して起こることがあります。

解離性健忘のようにストレスとの関連が知られている状態もありますが、一過性全健忘やてんかんなど、別の原因によって記憶の空白が生じる場合もあります。

記憶が飛んだときは、ストレスのせいと決めつけず、いつ起きたのか、どのくらい続いたのか、前後にどのような症状があったのかを整理することが大切です。

数秒前のことを思い出せない場合と、自分がした行動そのものを覚えていない場合では、確認すべき内容も異なります。

睡眠不足や飲酒、服薬、疲労などが重なっていなかったかも振り返ってみてください。

また、突然記憶が飛んだ場合や、同じ症状を繰り返している場合、日常生活に支障が出ている場合は、セルフチェックだけで判断しないことが重要です。

記憶の異変が続く場合は、脳神経内科や精神科などの医療機関へ相談し、原因を確認することが安心につながります。

最後に

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この記事の監修者

いつきのくに診療所 院長/みんな幸せクリニック 医師|日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、呼吸器専門医。
最先端医療の現場で経験を積む中で、効率重視の医療では患者一人ひとりの心や生活に十分寄り添えないことに課題を感じるように。症状の改善だけでなく「本来の自分に戻ること」を大切にした医療を目指し、自然と人とのつながりが息づく和歌山県紀美野町にて診療所を開設。心と体を一体に捉えた総合的な支援を行っている。

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